先日は、前豊岡市長である中貝宗治氏による講義でした!
10月6日、前豊岡市長であり、現在、一般社団法人豊岡アートアクション(TAA)理事、中貝宗治氏による講義が行われました。
中貝氏は市長時代から現在も引き続き、豊岡市を「小さな世界都市」にすることをモットーにかかげて、世界と直接つながり、伝統を守り、育て、新たな芸術文化を創造し世界へ発信することに尽力されています。
市長在任中には、環境と経済が共鳴する地域を目指し、一時絶滅したコウノトリの野生復帰を30年かけ実現し、コウノトリも住める環境から生まれた無農薬で作られる「コウノトリ米」のブランド化にも成功する等、中貝氏の熱意と意志により「豊岡市」を国内のみならず世界へ発信し続けました。
また、地方都市が生き残るための数々の戦略を実行に移しています。
先ずは、豊岡市は若者の流出をどう止めるかが課題でした。若者にとって豊岡に暮らす価値を作るべく、「小さな世界都市」戦略を打ち出されました。それは、豊岡市を世界の人々から尊敬され、尊重される都市にすること、ジェンダーギャップを解消して、公平性を保った都市をつくることでした。大都市との資本力の差は歴然としている中で、地域の自然、歴史、伝統、文化に深く根ざし、世界にその魅力を発信することに尽力し続けています。
その一環として、演劇といった芸術活動にも力を入れています。100年以上歴史を持つ歌舞伎小屋「永楽館」を復活させ、近年では芸術や演劇等を学ぶ大学を設立しました。演劇を通して子供たちのコミュニケーション能力の向上、他者に対し共感し違いを尊重し、多様な中で生きぬく未来の子供たちを育成するなど、演劇が、観光、教育、介護など、様々な分野で役割を果たし、地域に根付いているまち創りしたい、という「未来を見据えた考え」があるのだと中貝氏は述べられました。
豊岡市の生き残り戦略から、伝統のような固有性と、ジェンダーギャップの解消などの多様性こそが、唯一の価値を生み出すことを学びました。私も、唯一無二の価値を生み出すには固有性と多様性が大切であることを意識して、自分にしかできない仕事を誰かに提供したいと思いました。
文責:議事録隊 切石右京