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先日は、楠木建氏による講義でした!

2023年09月19日
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先日は、一橋大学大学院ICS教授の楠木建氏による講義でした。今回の講義は「逆タイムマシン経営論」についてお話しいただきました。

これまで多くの企業が、日本より先を行く米国などのビジネスモデルを輸入する「 タイムマシン経営 」に活路を見い出してきました。しかし、企業の成長には、事業の模倣ではなく、経営の本質を磨くことが必要であり、むしろ大切なことは、過去の経営判断を振り返り、今の経営に生かす「 逆・タイムマシン経営 」であるといいます。わかりやすく「新聞や雑誌は10年寝かせて読む」と例え、要は、過去の経営判断にさかのぼることが効果的であり“本物か偽物かは潮が引いた後にわかる”と述べられました。

「現象は変わるが、理論は変わらない。理論を考慮しなければ、因果関係の錯乱が引き起こす罠にはまるのだ」その罠とは、①AIやIoT化のみに着目し先の利益を見過ごす「飛び道具トラップ」 ②今こそ社会が激変する時代だと錯誤する「激動期トラップ」③遠い世界が良く見え、自分がいる近くの世界が悪く見える「遠近歪曲トラップ」のような“同時代性の罠”=「ノイズ」を除去することで、事象の本質が明らかになり陥穽にはまることなく正しい経営判断ができると力説されました。

最後に楠木氏は、経営者がマクロ環境を嘆いていてもしょうがない、これは単なる他責であり、現代の膨大な情報からいかに“本質”を掴み取り、競争と戦略の原点に立ち戻ることが、リーダーの役割であるとまとめられました。この言葉は、「同時代性の罠」を回避し、おかれた状況を冷静に再考させるフレーズであると感じました。

逆タイムマシン経営論とは、経営センスと物事の大局観を掴むことであり、膨大な情報社会の中でいかにして現象の本質を見抜くかが大切であると痛感した講義でした。

 

文責:議事録隊 切石右京

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