西岡郁夫コラム
一日1話「英語のことわざ」(西岡郁夫の連載 -c4-)
(参謀会議は戦わず)
戦うべきかどうか議論する参謀会議が議論ばかりでなかなか結論がまとまらないことのたとえで、日本では「小田原評定」というやつ。豊臣秀吉に攻められた北条氏の重臣たちが小田原城内で「講和するか」「篭城するか」評定を続けたが,空しく座談するだけであったという故事から,一般にいつまでも決まらない会議を「小田原評定」という。今や日本のほとんどの大企業が小田原に出張中のような塩梅だ。良く似た表現に「会議は踊る」がある。
アップル、IBM、モトローラが共同戦線でPowerPCというCPUを開発して「インテル殲滅作戦」を計画したとき、インテルは幹部会議が一週間の合宿で「PowerPC仰撃作戦」を議論した。最終日に結論を決議したときの当時のCEOアンディ・グローブは:
Speed above quality.(質よりもスピードが大切→拙速を尊ぶ)と作戦の実行を指示した。「我々はPCのプロだ。プロが出した作戦の正しさを信じて行動しよう。全社員は我々の命令を待っている」。小田原評定の対極だ。